2020年3月注目映画
2020年3月公開 注目映画
3月もたくさんの映画が公開されます。個人的見解から注目映画をコメントします。
『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
グザヴィエ・ドラン監督最新作。彼の監督作品で初めての英語作品。彼のテーマ「母と子」「同性愛」、また華やかさと美しさの追求は相変わらず健在。 ジョン・F・ドノヴァンに大注目英国俳優キット・ハリントンを起用したのもなんとなく分かる。
アメリカでは2年前に公開され、評価はグザヴィエ・ドラン監督作品にしてはイマイチな感じがしますが…彼の独特なワールドに英語映画が追い付いてないのか、何なのか分からないけれど、私はすごく楽しみ。
『ストーリー・オブ・マイライフ ~わたしの若草物語~』
長々しい邦題は置いといて、シアーシャ・ローナンが4度目のアカデミー賞ノミネートを飾ったこの作品。何度もリメイクされている『若草物語』。これは10度目の映画化(Wikipedia情報)だそう。1994年の『若草物語』は観たことがあるのですが、かなり好きな作品。本作品は2020年現在最もみずみずしく、勢いのある若手俳優さんたちが集まったと言えるでしょう。古い原作ですが、女性の台頭がますます顕在化する現代に通じるテーマ。監督さんも女性ということで、力強いジョーの姿が再びスクリーンに帰ってきます。
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of pray』
スーサイド・スクワットで”華麗なる登場”を果たしたハーレイ・クインのスピンオフ映画。”悪は悪をもって制す”の精神を継いだハーレイ・クインの再登場。この映画、DCの一連の映画の中で必要だったのか?と始めは思っていましたが、海外レビューでは軒並み高評価。かなり期待できる作品に仕上がっている模様。……マジか……自らの目で確かめようでないか。
ハーレイ・クイン率いる「Birds of pray」軍団に敵対するのはユアン・マクレガー演じる眼鏡インテリ、ブラックマスク。ユアン・マクレガーの新たな歴史が作られる…⁈(笑)
最近の映画・海外ドラマライフ ~2020年2月~
ついにNetflixに加入してしまった。もう一生抜け出すことはできなくなった、私の映画・海外ドラマ沼。
私が沼にハマったきっかけは、まず映画。4年くらい前のこと。時間があり余って、シリーズ物の作品を観て時間をつぶそうと思ったところから始まった。特にMarvelやDCといったアメコミから、「ハリー・ポッター」「ハンガー・ゲーム」といったSF・ファンタジーちっくのものまで、いろいろ探して片っ端から観始めた。そこからどんどん、
推しが出現→芋ずる式に、観たいものが増え続ける
といったスパイラルに陥り、今に至ります。
さてさて、Netflixに加入してまず気になったものは…大きく分けて2つ。
①2020年アカデミー賞ノミネート作品
②Netflixオリジナルドラマ(海外)
①2020年アカデミー賞ノミネート作品
今年、アカデミー賞に名を連ねた作品、
「マリッジ・ストーリー」「二人のローマ教皇」「アイリッシュマン」
どれもハリウッドの有名俳優さんがたくさん出演しています。
「アイリッシュマン」がまさか3時間半もある大作だとは…びっくりですが、百聞は一見に如かず。マーティン・スコセッシ監督の静かなる作品を楽しみたいと思います。
②Netflixオリジナルドラマ
まず観なきゃ(もはや義務感)と思ったのは、「ストレンジャー・シングス/未知の世界」。スティーブン・キングを思わせるような子供とエイリアン(?)の物語で、彼らの可愛さとエイリアンの恐ろしさが混ざっていて、とても面白そうです。
次、「ウィッチャー」。私はこのファンタジーな世界観と孤独な主人公という組み合わせが、最高にそそられるのです!!! しかも、主演はイギリスの筋肉俳優(個人的見解)、ヘンリー・カヴィル。しかも白髪!!! 最高のルックス!!! 現在はシーズン1のみ配信、シーズン2も決定しているので早く観ないと…!!!
次、「ルシファー」。シーズン4まで制作されているドラマですが、途中でNetflixに救われ、続編が作られたドラマだそう。これまた、主演のトム・エリスが悪魔ぴったり。なまりが良い。個人的好きな海外ドラマランキング上位に位置する作品になりそうです。
というわけで、夜も眠れぬ日々になる予感しかない。
光をくれた人 (2016年)
『光をくれた人』(2016年)
【※未鑑賞の方は読まないことをオススメします!※】
グランドイリュージョン (2013年)
『グランドイリュージョン』(2013年)
【※未鑑賞の方は読まないことをオススメします!※】
フォード vs フェラーリ (2020年)
『フォード vs フェラーリ』(2020年)
【※未鑑賞の方は読まないことをオススメします!※】
ミリオンダラー・ベイビー(2004年)
『ミリオンダラー・バイビー』(2004)
原題:Million Dollar Baby
女性ボクサーを夢見るマギーは、ボクシングジムを運営するダンの元へ弟子入りを志願します。しかし、ダンは拒絶。それでもマギーは諦めずダンの言いつけを守るという約束で彼の特訓をこなします。メキメキと頭角を現していくマギーは、試合で勝ち続けます。そして女性ボクサー最強にして最悪の試合をする”ブルーベアー”との対決が彼女の運命を一変させます。
クリント・イーストウッドとともにこの映画を大きく支えるのは、モーガン・フリーマンが演じているエディ。エディは昔活躍したボクサーですが彼はけがにより今はボクシングジムの雑用係という役。彼がナレーションを務めていますが、それがまた切ない。
【※以下、ネタバレあり※】
【※未鑑賞の方は読まないことをオススメします!※】
この映画は、だたマギーがボクシング業界でスターダムにのし上がる映画ではありません。私はむしろ後半の方がかなり印象的でした。それは社会問題にもなっている、尊厳死・安楽死問題です。
凶暴でルールを大きく無視し危険なゲームをすることで知られた”ブルーベアー”との試合で、彼女は頸椎を損傷する大けがを負ってしまいます。
頸椎を損傷してしまったことにより、彼女はボクシングを続けるどころか、首から下が麻痺し寝たきりの生活になってしまいます。彼女の家族はマギーがボクシングで得た財産を横取りしようと、突然病室に現れては弁護士の持ってきた書類にサインするよう強制します。家族は彼女がこれまで築いてきたボクシングには何の興味も示さず、二度と姿を見せることもありませんでした。
そんな彼女に最期まで寄り添ったのは、トレーナーのダンだけでした。
しかし、彼女はダンに「人工呼吸器を外して欲しい」と、死を望みました。ダンは当然困惑し、できないと断固拒否します。次の日彼女は舌を自ら噛み切り、失血死で自殺しようとしました。
マギーの印象的なセリフがあります。
「私は思い通りに生きた、その誇りを奪わないで」
「私の名前を呼ぶ人々の声が聞こえなくなるのが怖い」
マギーはこのような状況になっても、誇り高く高潔に自分の人生を生き抜こうとしていたのです。そんな彼女の姿と願いの強さを痛感したダンは、一度は断ったものの、マギーの自殺幇助に踏み切ります。
この一連の流れは前半の痛々しくも力強いボクシングからは想像できないような展開で、衝撃的でした。
はたして、ダンのとった行動は良いことだったのでしょうか。これは明らかに、マギーを殺したという殺人と普通は考えられます。しかし、恐らく多くの人はダンに大きく共感し、ダンの決断を支持する人もいるのではないでしょうか。
死を望みつつも自ら死を選べない人に、他人が死を与えて良いのか。
死を与える人(ダン)の精神的ダメージは計り知れません。彼が教会に行き、神父さんに相談するシーンもありましたが、ダンは「神にまかせ、あなたは何もしなくて良い」という神父さんのアドバイスを結局無視する形となりました。
しかしダンは自分の中で納得し、人工呼吸器のチューブを抜きました。なぜ私がこう思ったのかというと、ダンが「モ・クシュラ」の意味を伝えたからです。
ダンにとってマギーはボクシングの教え子としてだけでなく、娘の身代わりとして大きな存在価値のある女性だったと考えられます。深い絆で結ばれた二人の終着点は、マギーがマギーらしく人生を生き抜くことだ、とダンは考えたのだと思います。
こんなにも悲しく切ない気持ちになった映画は久しぶりでした。クリント・イーストウッド巨匠の映画は、やはりメッセージ性が強く一筋縄では解釈できないなと感じました。後世に伝えていきたい映画になりました。
ナイブズ・アウト /名探偵と刃の館の秘密(2020年)
『ナイブズ・アウト /名探偵と刃の館の秘密』(2020年)
原題:Knives Out
ライアン・ジョンソン監督がアガサ・クリスティーの名作にオマージュをこめた、最高のサスペンス・コメディー・ファミリー映画です。
有名な推理小説家 ハーラン・スロンビーが自宅で亡くなっているのを、お手伝いさんが発見するところから物語が始まります。彼はなぜ死んだのか?彼の家族は探れば探るほど怪しい要素が山ほど出てくる…名探偵ブノワ・ブランがこの一家の秘密を暴き出します。
クセの強いスロンビー一家 誰が犯人なのか…?ハーランの本当の想いは…?
結論:めちゃめちゃ面白かった。好きな映画リスト入り。
人間関係が実に見事に絡みあい、誰がどう行動したのか、あの人の思惑は何なのか、何が目的なのか、真実が見え隠れする131分。最後までどうなるか絶対に目を離せません!!!
この映画は、頭を空っぽにして観るのが一番面白いと思います。変に自分で推理するよりも、いろいろな出来事を「?」と思いながら観るのがオススメ。多くの伏線にあなたはいくつ気づくことができるか?
【※以下、ネタバレあり※】
【※未鑑賞の方は読まないことをオススメします!※】
私の気になった人物を厳選して3人紹介します(^^)
重要なキーパーソンその1:マルタちゃん
まさか嘘のつけないキャラクターをサスペンスに出してくるとは!!
「それもうサスペンスにならないじゃん」
と思った私は大馬鹿野郎でした(笑) 嘘をつくと吐いちゃう彼女が、頑張って真実の部分だけで乗り過ごそうとするシーンや、自分が帰った後にもう一度戻ってきたその証拠を必死に隠そうとするシーンはとても可愛かったですね。このシーン↓と彼女のこの顔↓はマジで最高だった!!!
そんなマルタちゃんを演じたのは現在大ブレイク中のアナ・デ・アルマス。キューバ出身の彼女はなんと現在31歳。み、み、見えない・・・可愛すぎる・・・真ん丸な目とむちっとした体形が、他の女優さんには無い魅力です。今後も出演作の公開が続く、大注目の女優さんです。
重要なキーパーソンその2:リチャード・ドライズデール
リチャードはハーランの娘、リンダの夫。この人が印象的だったシーンはパーティの夜、移民について語っている場面です。リチャードは、
「アメリカはアメリカ人のためにある」
「アメリカ人でない人は、合法的にアメリカ人になる方法がある」
と語っていました。これにはマルタが移民であるという背景を強く意識したものです。まるでトラ〇プ大統領のような発言です。そう、この映画は、厳密にはアメリカ人ないマルタに対する、一家のちょっとした差別的な視線も重要なテーマとなっています。
重要なキーパーソンその3:ランサム・ドライズデール
はい、ハンサムなランサムきましたーー!!!
ランサム兄さんが登場するシーンと、ランサム兄さんが家族に”Eat Sh*t”爆弾を投下するシーンが最高でした。 ランサム兄さんにも大いに騙されました・・・遺言書を読み終えた後、ごたごたした言い合いの中を、ランサムが良い感じにマルタを救い出したんですから!!!!
「さすがランサム!いいやつじゃん!」
と、私は思ってしまったのです!!
彼のしたたかな陰謀は叶わず散ったわけですが、彼の徹底した信念には脱帽です。
そんなランサム兄さんを演じたのは、クリス・エヴァンス。キャプテン・アメリカ役で世界中を虜にした彼が、久々にキャップでない役でスクリーンに登場しました。本作ではキャプテン・アメリカとは正反対ともいえる、ぼんくら息子役。しかし、
私はこんなクリス・エヴァンスが見たかったぞ!!(笑)
(キャプテン・アメリカで凝り固まった彼の崇高なイメージはまだ残っていますが、)ポンコツな役も、何か心くすぐられる・・・
とにかく、クリス・エヴァンスがさらに好きになりました。
とにかく、とんでもない展開が最後まで続く、とても面白い映画でした。私の中では万人受けする内容だと思ったので、全人類にオススメしたいです。
やはり最後のフェイクナイフは・・・ランサムも思わず”Sh*t...”と言っちゃいましたね(笑) だが、そんなランサムに私は言いたい。
”おぬしこそ、Eat sh*t!!!!!”
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