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パラサイト/ 半地下の家族(2020年)

『パラサイト/ 半地下の家族』(2020年)

原題:기생충
英題:Parasite

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IMDbより

ついに問題作が日本公開。
韓国から世界中へ激震を与えた『パラサイト/ 半地下の家族』。

2019年のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したこの作品、
一言でいうと、ジェットコースター
映画が始まって数分、カタカタと上昇…
(半地下ね、家族ね、ここまでは普通。)
半地下の家族に舞い降りた美味しい話にお兄ちゃんが
乗った時点から、ジェットコースターが急降下・急旋回
ここから2時間、振り回されます(笑)

観終わった後の心地よい疲労感は何とも言えず。
今まで観たことのない家族の映画でした。

 

【※以下、ネタバレあり※】
【※未鑑賞の方は絶対に読まないで下さい!※】

 

 

 

この映画の凄かったポイントを3つにまとめました。

①半地下の家族がパラサイトする過程
②とんでもない家政婦さんの正体
③貧富の差が生み出す、無謀で暴力的な力

 

まず①半地下の家族がパラサイトする過程
お兄ちゃんから始まる富裕家族へのパラサイト。これは普通でした。
しかし、次に怪しい絵画療法をうたう妹ちゃんが登場。まさかの
初日で、息子のしつけまで完璧にこなしたところはあっぱれでした(笑)
映画序盤のキーパーソンは、この妹ちゃんと言っても過言ではないくらい
ファインプレー(?)の連続でした。
次は妹ちゃんが追い出した運転手にお父さんが、
お父さんが追い出した家政婦さんにお母さんが入ってパラサイト完了。
実に連携のとれたやり取りと機転の利かし方で、恐らく1週間ほどで
4人ともパラサイトしたのではないでしょうか?(笑)

②とんでもない家政婦さんの正体
最大のサプライズと言って良いのが、元の家政婦さん。
家政婦さんも実は半地下の家族と同様、パラサイトしていたとは!!
地下の隠れ家にバタバタと入り込んでいくシーンは本当に
ドキドキしました。

 

③貧富の差が生み出す、無謀で暴力的な力
最後の最後でお父さんがやってしまった、無計画な思い付き。
あまりにも違いすぎる生活スタイルを目の当たりにして、
ついに爆発。やっちゃいました…
他にもそういうシーンがありました。それは、
半地下の家族vs家政婦さん夫婦のシーンです。それまでは
半地下の家族サイドが圧倒的弱者だったのに、家政婦さん夫婦を
見つけたとたん力をふるい始めます。階段で蹴飛ばすシーンは
象徴的ですよね。
このように貧富の差や金銭的バックグラウンドは、大きな力を
生み出すこと、衝動的な行動に出ることに繋がりかねないという
警鐘を感じました。

来月のアカデミー賞授賞式を、大いに荒らすと予想されるこの作品。
そんな噂も納得の出来栄え。最高でした。
英語映画でない作品で久しぶりに痺れました。