ロング・ショット/ 僕と彼女のありえない恋(2020年)
『ロング・ショット/ 僕と彼女のありえない恋』(2020年)
原題:Long Shot
ラブコメというジャンルは昔から絶えないジャンルの一つ。
しかし、男女の在り方や恋と仕事との両立など、その描写は時代ともに変化していきます。
この作品は、まさに”今”21世紀を投影する作品と言えるでしょう。
シャーロットとフレッドは家がお隣さんだった幼馴染。シャーロットがフレッドのベビーシッターをしていたことも。(4歳ほどシャーロットの方が年上、ここもミソ)
正義感の強いシャーロットに、淡く憧れを抱いていたフレッド。
月日は経ち、お互い社会人に。シャーロットは国防長官に、フレッドは小さな出版社のジャーナリストとして働く日々。フレッドの失業がきっかけで、二人は再会します。
【※以下、ネタバレあり※】
【※未鑑賞の方は絶対に読まないで下さい!※】
この作品は面白いポイントと小ネタがたくさん詰まっていました。
①最近社会的にブームになったこと
②現代を映すラブコメ
③女性の在り方
①最近社会的にブームになったこと
これはズバリ、ケーム・オブ・スローンズとマーベル映画です。
2019年、ゲーム・オブ・スローンズは最終章を終えたばかり。巧みに練られた人物構成と騙し合いのこのドラマ、めちゃめちゃ面白い。世界一有名なこの海外ドラマのあの最大のネタ、3頭のドラゴンの内、1頭がホワイトウォーカーにやられて目玉が青くなる云々を…盛り込んでいました。あらすじしか読んでいなかったシャーロットもフレッドに勧められてちゃんと観るあたり、可愛いかったですね(笑)。
そしてもう一つはマーベル映画!の、しかも!!あの!!
『キャプテンアメリカ/ ウィンターソルジャー』!!!!
キター!!!!!!!!!!!!(キャップイケメンーーーー!!!!!!!)
しかもフューリー長官が撃たれてしまうあのシーン。
シャーロットが盛大に衝撃を受けている姿が愛らしかったですね(笑)
(その後フューリー長官がどうなるかは、また別の機会に)
②現代を映すラブコメ
この映画を観てまず思ったのは『ノッティングヒルの恋人』。
『ノッティングヒルの恋人』も高嶺の花スタイル物語。でも高嶺の花ほどひとりぼっちで寂しくて、心の底では誰かに頼りたいと思っていることが多いです(私の観た映画調べ)。でも最終的に一歩踏み出すのは男性の方。
そして『プリティウーマン』のサントラを流すあたりも最高。
ロマンティックだった~!!!
ロクセットの「愛のぬくもり」↓
でも違ったのは、女性であるシャーロットの野心の大きさ。自分で決めたことは実行する、これは彼女が学生の頃から大切にしている信念でもありました。政治家としてやるべき事は諦めない、そんな姿が本当にまぶしかったです。
またフレッドとの関係も、女性であるシャーロットがはっきりと決める場面がこれまでのラブコメ映画に比べて多かったように思いました。
③女性の在り方
シャーロットの大統領選出馬演説は最高にかっこ良かったです。映画史に残る演説だったんじゃないかと思うくらい、すごく堂々としていました。近い将来、こんなふうに強大な権力にも立ち向かう女性大統領や女性首相が生まれたら、マジで歴史が変わるなと感じました。
主演のシャーリーズ・セロンがこんなにもユーモアセンスに長けているとは思いませんでした。高嶺の花感を出しつつも、みんながついていきたくなる政治家を演じきっていたし、なのに女の子の顔になるとめちゃめちゃ可愛い。すべてのドレスもスーツも似合っていました。改めて彼女のことが好きになる映画になりました。